| 株式会社 環境還元研究所
代表取締役 早川英雄 E-mail:info@kangen.co.jp 【本社・研究所】 〒302-0034 茨城県取手市戸頭1074-1 TEL:0297-78-7981 FAX:0297-78-7986 会社概要はこちら>> |
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防錆〜原子力発電ボイラー水などの防錆装置〜高周波電解している液中に赤錆で被覆された鉄片を浸漬しておくと、赤錆は黒変し、つまり酸化しない安定した鉄になりました。 そして鉄片から剥離した赤錆の粉末と、黒変した黒錆の粉末をそれぞれ磁石に近づけると、赤錆は少量の粉末が磁石に吸引されるだけなのに対して、黒錆の大部分の粉末は磁石に吸引されました。このことから黒錆はマグネタイトFe3O4であることがわかります。しかし鉄片から剥がした赤錆粉末のみを還元水中で処理しても、粉末が黒変するには数日の時間がかかりました。 次に赤錆で被覆された鉄片をpH10のアルカリ性溶液に浸漬し、その溶液を電解処理したところ、中酸性溶液の場合とは異なり、赤錆が黒変することはありませんでした。 比較のため、弱酸性溶液中に赤錆で被覆された鉄片を浸漬しその溶液を電解処理したところ、赤錆は黒変したのです。黒変した錆(黒さび)は、X線解析の結果マグネタイトであることがわかりました。![]() ■還元水による赤さびの黒変
鉄上の赤さびが還元処理水中で黒変したということは、還元処理水中の溶存水素により還元されたように見えますが、しかし溶存水素は還元力を持っていないことは明らかです。 赤さびの黒変(マグネタイト化)は弱酸性溶液中で、しかも下地としての鉄片の存在が必要であること、溶液中に水素ガスが存在するときにも起きることが分かります。 つまり溶存水素は、赤さびのマグネタイト化には必要ないのです。そこで弱酸性溶液で電解処理中の赤さび鉄片を観察したところ、電解で発生する大量の微小水素ガスによる物理的な作用でしょうか、赤さび粒子がばらばらと電解槽のそこに向かって落下していること、鉄片の表面から水素と思われるガスが発生していることがみられました。 そこで上記の結果を踏まえて考察しますと、赤さびが黒変することは水素ガスによる還元ではなく、弱酸性溶液中でのFeのFe2+への酸化を含む(1)(2)(3)(4)又は(5)(6)式により起こるものと考えられます。
しかし、溶液中に溶存酸素が多量に存在すると、マグネタイトは(7)式により赤さびに酸化される。 2Fe3O4+1/2O2→3FeO3(7) 赤さびはその構造が緻密でないので下地を保護することがなく、腐食は時間と共に進行します。従って還元処理中に鉄材を浸漬しておくことは還元水中には溶存酸素は少ないという意味で腐食の防止に役立つことになります。窒素ガス雰囲気でもマグネタイトが生成しますが、鉄錆の全く存在しない鉄材をその環境に老いた場合はマグネタイトの皮膜は生じません。従ってマグネタイトの生成には適度な酸素が必要なのです。 ■結 論鉄片の赤さびが黒さびに変わるのは、高周波電流電解によって生じる水素ガスによって赤さびが還元されるのではなく、鉄片から溶解した2価の鉄イオンが溶存酸素の少ない状態で水と反応して黒さび(マグネタイト)になるからです。溶存水素は還元力はほとんどありません。電解によって生じた水素ガスは数時間で大気中にぬけますが、白金電極表面の水素は特異的に吸着していますので、酸化還元電位は長時間低い値を保つこともあります。 |